「糸巻き」に汚染された人間が浄化されていく様


by SONZUKA
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そして、さよなら、Vancouver!('07/12/21/~'08/3/16)

最後の山場であるTOEFL受験をトイレを我慢しながら何とか終了させ(…)、こちらでの予定は全て終了、いよいよVancouverもあと残すところ1.5日となった。さすがに3ヶ月住んだVancouverについて何も書かないというのは不自然なので少し書いてみたい。

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こちらに来た当初は、日本と全く違う環境にいたく感銘を受け、こういう環境で生活できればさぞかし幸せだろうな、移住したいな、などと単純に考えたものだが、私にとってVancouverはやはり退屈であった。カナダでは国内第三位の大都市だとはいうものの人口200万人ちょっとの規模であり、いわゆるシティーライフを満喫するには小さすぎるのだろう。New York City、London、Parisと旅行した後だからなおさら退屈に感じるのかもしれない。

確かに街は美しい。English Bayから見た夕景やStanley Parkから望むNorth Vancouverなどは本当に美しかった。また、2010年に開催される冬季五輪の影響か、街は建設ラッシュ、新しいマンションやホテルなどが忙しく建設されている。

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ただ所詮(笑)200万都市であり、Winter Sportsに縁のない私には退屈極まりない。ただ退屈だ退屈だと書いても仕方の無いので、今特に感じることを備忘録的に。

①カナダ西部のBritish Columbia州最大の都市であるのだが、ビジネスマンのスーツ着用率が低いからか、Businessの匂いが極めて薄い街である。Activeに働いている(いそうな)所謂ビジネスマンを殆ど(全く)目にしない。私が通った学校はビジネス街の真ん中にあるとのことだが、ビジネスマン特有の緊張感が街中にいても全く感じられないのである。これは今も不思議に思うことである。要するに、カナダという国家は何を糧にメシを食っているのか。

②ホームステイ先には20歳の一流大学に通う女の子と17歳の高校生の男の子がいるのだが、私が理科系出身だと言うこともあり、数学を教える機会が何度かあった。当初は英語圏の一流大学生にいくら理科系とはいえアジア圏の三流大卒の私が数学を教えるなどとんでもない、微分なんてすっかり忘れたぞ、とビビっていたのだが、その宿題のレベルを見て驚いた。日本で言うと中学3年生でも解けるレベルの問題に頭を抱えているのである。また高校生の男の子には日本の中学2年生のレベルの数学を教えたのだが、分数の加減乗除はおろか九九すらも怪しいというレベル。「1.5÷2」を計算するのに計算機を使おうとする始末である(彼のカナダ国内でのレベルは知らないが)。よく言われることであるが、日本の高校までの基礎教育のレベルは極めて高いと痛感した。ただ、歴史や哲学など所謂Liberal Artsについてはかなりしっかり学んでいるようで、極東の我が国の歴史などについてもかなり正確な知識を持っていた。学問の力点の置き方が違うのかもしれない。

③こちらで全く買い物をしなかったものの、ノートやシャーペンの芯などの学用品は少し購入した。驚いたのは品質の悪さである。日本にいるときは、学用品の品質なんぞ気に留めるわけもないのだが、こちらではそうも行かないのだ。特にヒドイのがシャーペンの芯。容器があまりにも雑に作られているため(プラ型の作りが酷いようだ)、芯が蓋から出てしまい筆箱がシャー芯だらけになる上、芯の直径の精度が低く、ボキボキ折れまくるという代物(シャーペンの芯はマイナス公差で出来ているはずだがマイナスへの振れ幅が大きすぎるようだ)。シャー芯の消費量はすさまじいものとなった。日本ならクレームの嵐、即刻回収となるだろうに。

こんなカナダだが、一人当たりのGDPは日本を上回る(加$40,010 vs 日$38,930。"The Economist"より)。なんと悲しすぎる事実であろう。確かにOECDやG8のメンバーであり世界で最も裕福な国の一つに数えられる国ではあるが、私という歪んだフィルターを通ったとはいえ、①~③の事実から、何故この国に日本が負けるのか理解できようか。確かに天然資源や広大な国土に恵まれたカナダと、カナダの4%弱と狭く天然資源にも恵まれない国土に、4倍の国民がひしめきあう我が国とでは、そもそものポテンシャルが違う。生きるために必要なエネルギーや食料を海外から購入しなければならない日本と、それらを輸出できるカナダ。同じ労働量/効率でどちらが余裕のある暮らしが出来るか、答えは明白である。だがしかし!歯がゆい、悔しい、情けないといったネガティブな感情がミックスした気持ちになる。

米ドルと同じレートになったカナダドル、カナダ経済は好調だとのこと。一方、我が国日本。GDPの順位は凋落し続け、国家財政は破綻寸前、一刻の猶予も許されない時期にあるはずなのだが、政権を担い半年が経つビジョンを示せない首相や、「もはや経済は一流と呼ばれる状況ではない」とまるで他人事の発言をする大臣にも怒らない日本人。国家の行く末を市民自らが考え統合させ、意思を決定する民主主義のシステムは日本人が扱うには重すぎるのか。

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と、悩んでいるうちにトイレに行きたくなってきた。兎に角、さよなら、Vancouver!
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by SONZUKA | 2008-03-15 08:57 | 日々雑感