「糸巻き」に汚染された人間が浄化されていく様


by SONZUKA
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金曜日は半年ぶりの寿司を食べた。

グルメな友人に連れて行って貰ったのが経堂の「なり田」という小さな寿司屋である。

烏賊の塩辛、刺身(平目の昆布締め、甘エビ、あと一種)、アンキモ、何かの貝の磯辺巻きをつまみに、コハダ、サヨリ、トロ、ツメ3品(シャコ、貝、穴子)、烏賊、などを寿司でいただき、最後は鉄火巻きとカッパ巻き。(全部覚えていないのは酒のせいか年のせいか…。)酒はエビスビールとあっさりした辛口の日本酒。

前職の仕事柄、接待のため日本で美味いと言われる料理は大抵(経費(=皆様の保険料)で)食べてしまった。懐石、寿司、イタリアン、フレンチ、ステーキ、鰻、ふぐ、アンコウetcetc。その中でも一番好きなのはやはり寿司である。私が会社にはいるまで一番嫌いな食べ物の中の一つであった寿司。「魚は臭いもの」という認識があったのだ(育ちの悪さがばれてしまうかもしれないが…)。要するに「本物」を知らなかったのである。製薬会社に入社して、グルメが多い(というか高いものが好きな)医者の相手をするために、若造がとても立ち入ることの出来ない別世界の芸術を味わうことが出来たのは悪い経験ではなかったろう。おかげさまで「この世の美味いもの」のレベルと価格を大まかに知ることが出来、本物を知る喜びを味わえたのだ。一応感謝感謝。

閑話休題。というわけで銀座から赤坂から一流どころの寿司屋は結構食した私だが、今回のこの寿司はその中でも確実にベスト3に入るすばらしさ。しかも価格が銀座の半分以下であった。恐らく銀座でこのレベルの寿司を食べようと思ったら二人で5万円くらいは覚悟しなければならないだろう。寿司というのはとても難しい食べ物で、味覚嗅覚触覚視覚あらゆる感覚を満足させられなければ一流とは言えないのだ。「ネタは新鮮だけど舎利がイマイチ」とか「ネタも舎利も良いんだけどバランスが取れていないんだよなぁ」とか「舎利の握り方があまいので噛んだときの触覚が良くない」とか「確かに美味いんだけどかしこまった雰囲気で残念」とか「そんなにポンポン出されても食えないでしょうが」とか。100%満足させられる寿司屋の如何に少ないことか。まあワタクシのような小市民ですらこれだけのゴタクを並べられるのも寿司という料理の難しさを表しているように思うのだがどうだろうか。
職人さんの腕が兎に角素晴らしかった。丁寧な仕事、美しい握り方、舎利とネタの絶妙なバランス。寿司を出すタイミング。味覚嗅覚触覚視覚の全てを堪能した。その中でも、
①コハダ(締め具合がピッタリ好みに合う寿司屋って意外と少ない。酸味と甘み、コハダの持つ柔らかさを殺さない仕事、は難しいのだ)、
②サヨリ(よく分からないが凄く美味かったのだ)、
③鉄火巻き(房総で取れた海苔の香りの素晴らしいこと。口に入れた瞬間、マグロの脂と化学反応を起こして広がる、香ばしく甘い磯の風味は絶品)
の三品は当に絶品。
ご主人のお人柄も大変気持ちよく、寿司の愉しみの一つである職人さんとのコミュニケーションも十分味わせていただいた。いろいろ寿司について教えて貰ったのだが、とても楽しかった。

住宅街の小さな10席ほどの寿司屋を出るとき、日本人に生まれて本当に良かったと感動した金曜日でした。
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by SONZUKA | 2006-01-29 19:21 | 日々雑感
早めに帰宅できたのでビールを飲みながらブログをアップしてみました。

小田和正「K.ODA」を聴く。
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小田和正のアルバムはこれ一枚しか持っておらず、彼について殆ど知らないのだが、オフコースを解散した後に出した最初のソロアルバムだとのこと。オフコースというバンドがどういう音楽を演奏するのかは知らないけれど、小田和正は随分と思いきったことをしたな、と感心する。単身でロスに渡り「超」の字が幾つも付く現代音楽の頂点と音楽を作る作業を決意するとは!
プロデュースがBill Schnee、DrumsがJeff Porcaro、BassがDavid Hungate、GuitarがDann Huffという恐ろしい面子である。このアルバムが発売された80年代半ばは、竹内まりやの「Miss M」といい、尾崎亜実の「Hot Baby」といい、良質な音楽が作られていたようだ。このアルバムは全体的に暗いトーンで、寒い冬になるとついついiPodで再生してしまうのだ。

このアルバムをiPodで再生する理由は、やはりJeff Porcaroのグルーブを聴きたいからである。
Jeffは男男しい(読みはオトコオトコシイ、オオシイ。女々しいに対比する私の大学時代の仲間の造語で猛々しい、男っぽいという意味)8ビート、繊細かつ柔らかい16ビート、そして軽快なシャッフルを得意とする当にOne&Onlyなドラマーであった。彼のグルーブを生で聴けないことを本当に悲しく思う。このアルバムでは、見事な8ビートと16ビートが聴ける。ドラムという音程がないリズム楽器が楽曲に如何に彩りを添えるか、実感できるのだ。
あと、もう一つの魅力はDann Huffのギター。ハードなロック調ギターソロのお手本が随所に聴ける。最近ディストーションのギターを余り聴かなくなったのだが、このアルバムを再生しDannのギターソロを耳にすると思わず身をのけ反らせてしまう。ピッキングハーモニクスのタイミング、効果的なアーミング、3連符から早弾きに移る様など。素晴らしいギタリストだ。
あとあと、もう一つの魅力はDavid Hungateのベース。Jeffと組んだとき最もしっくり来るベーシスト。こんなにカッチリ演奏するベーシストって他にいるだろうか。派手さは全くないがどこに音を置くか、どういうコード感を作るか、計算され尽くしたベースライン。

最近のJ-POPなど真面目には聴いたことはないが、20年も前のこのアルバムと比較すると現在のJ-POPは全く進化していないどころか退化してしまっているような気がする。音楽の楽しみを感じられないものに化している。音楽にお金を使わない人間が増えているのは何もネットでの違法コピーやレンタルCDでは無い。資金を投じるだけの価値がないからだと断言したい。

そもそも、音楽の楽しみの二大要素はメロディとグルーブ。現在の音楽はメロディが使い回しの安っぽいものになっているのに加え、考え無しにコンピュータでリズムを作っているから、グルーブとは程遠い。打ち込みも80年代の方がハードが貧相だったのにかかわらずクォリティは今より圧倒的に高かった。

大方の人間はメロディしか感知できない。カラオケでメロディを追うことが出来れば満足なのである。しかし、カラオケ文化も衰退し始めている。日本の音楽はどこに向かうのか。iPodやらiTunesやら音楽を調達する手段は整ってきたが、肝心のコンテンツが空っぽ。音楽文化が日本から消えてしまわないかと心配だ。


追記
私がグルーブをいつから認知し始めたのか考えると、中学校1年生の時、The Beatlesの「I saw her standing there」を聴いた時である。
、、、としんどくなってきたので、、、
リズムとグルーブに関しては、また後日にしようっと。
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by SONZUKA | 2006-01-26 22:24 | 音楽