「糸巻き」に汚染された人間が浄化されていく様


by SONZUKA
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今でこそフュージョンやAOR、Jazzを愛聴している私だが、音楽に心底はまったのは、WOWOWで放映された「Dire Straits-Live in Basel」でのMark Knopflerのギタープレイを見てからであり、それからというものしばらくはRockばかり聴いたものだった。

人生の1/3を生きて、過去を振り返る機会があるせいか、音楽についても昔聴いていたRockのアルバムを引っ張り出して聴いたり、仕事で顧客の元に向かうレンタカーでFMから流れるRockを耳にしたりすると、昔心を焦がして聴いた音楽を鮮やかに思い出しフラッシュバックすることが結構ある。何気に流れるZepを聴いてJohn Bonhamのドラミングに鳥肌を立てたりなんてことがあるのでラジオも良いものだ。最近の殆どのFMラジオがAM化していて糞みたいなものだがね。

今日は何故か突然「I looked away」を聴きたくなって何年ぶりだろう「Derek and the Dominos」の「Layra and other assorted love songs」をCDプレーヤーに入れた(この歴史的名盤が1,080円とは!恵まれた時代である)。
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今でこそ、金の亡者となりギタープレイも手癖のみで緊張感がないEric Clapton大先生(注)だが(笑)、このアルバムではレイドバックしてカラカラのストラトトーンを聴かせまくってくれる。「カラカラ」のというのがポイントだ。Derek and the Dominosというバンドはこれ一枚で解散してしまったオオヨソバンドとは言えないバンドだが、Ericが組んだ唯一のバンドらしいバンドと言っても良い(と決め打ちする、Creamはバンドではないから)。Bobby Whitlockとの解け合うようなコーラス、Duane AllmanのEricを完全に喰ってしまったリードギタリストぶり。Ericとはこの後長い間行動を共にするCarl Radleのレイドバックしたベースプレイ。そして、御大Jim Gordonの白人らしいジャスト気味で手数が多く、テクニシャンっぷりを遺憾なく発揮したドラムプレイ。これらがいちどきに解け合ったかのようなアルバムなのだ。音楽界で「一期一会」という言葉を感じさせるものはそう多くないが、このアルバムは当にその一枚である。このアルバムが何か新しいものを生み出したか、と問われれば、否、と答えるだろうが、Ericがこんなに「バンドらしいバンド」を組んだことがかつてあっただろうか、と考えると残念ながら無いのだ。このアルバム一枚が「クラプトンのバンド経験」なのだ。そういう意味で価値があるのだと気づいた。クラプトンファンなら、ストラトのハーフトーンサウンドが遺憾なく楽しめるし、「Have you ever loved a woman」での完璧なインプロビゼーションは必聴でであろうが。

残念ながら、この秀逸なバンドはスタジオ録音はこのアルバム一枚で自然消滅となる。だからこそこのアルバムは未だにロックの名盤として語り継がれるのであろう。Led Zeppelinが世に提示した「これこそ当にロックバンドの完成形(私個人の評価です)」のようなエポックメイキングなアルバムではないが、音楽は何もエポックを生み出す必要はないのだ。そもそもクラプトンはその存在、卓越した(かつての)ギタープレイだけでエポックなのだ。Zepとの違いは「Jimmy Pageはレッド・ツェッペリンというバンドが存在して初めてエポックと成り得た」ことだけ。Zepの曲が流れるとつい色々考えてしまう(John Bonhamのグルーヴ、John Paul Jonesのロイクなラインを聴いてこりゃもはやファンクだな、など)のと比べて、このアルバムを聴くときは何も考える必要はない。ただ心地よいレイドバックサウンドとリラックスしたクラプトンのボーカルに身を委ねればよいのだ。音楽の楽しみにも色々ある。

(注) クラプトン先生も紆余曲折があって、その時々でゾクゾクさせるギタープレイを聴かせていた。私にとっては(このアルバムでのプレイはもちろんのこと)、「24nights」でのプレイはアグレッシブに聴こえたし(前半の4ピースバンドでのプレイを聴いてみよ)、「Unplugged」でのアコースティックギターには度肝を抜かれた(アコースティックでも激巧!キチンと鳴らしとるなー)。また、「From the Cradle」はブルースを知らない19歳の少年であった私には十分刺激的であった。ただ、これ以降はことギタープレイについて言うと全く「鳴かず飛ばず」であると言う意味である。世間的な認知度と評価とは反比例的に私の評価は下がっていくのだ。
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# by SONZUKA | 2006-06-30 17:49 | 音楽

久しぶりにCDゲッツ!

まあ、大した話題ではないのだがホントに久しぶりにブログをアップ。音楽ネタ。

「Tribute to Jeff Porcaro」をアマゾンでゲッツ。
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随分前(僕が大学生の頃)に発売されたもので、友人が購入していたのだが、何となく「トリビュート」に触手が動かなくて買わずにいたもの。とあるブログで推薦されているのを見て購入してみた。

いやーやはり天下のJeff Porcaro御大のトリビュートである。凄い面々。大好きな人がここぞとばかりに集っている。

Drums:Carlos Vega,Steve Ferrone,Jim Keltner,Bernard Purdie,Steve Gadd,Gregg Bisonette,Vinnie Colaiuta etc.
Bass:Jimmy Johnson,Nathan East,Freddy Washington,Will Lee,Neil Stubenhaus,Lee Sklar,Abe Laboriel etc.

まあリズム隊で僕個人的に好きな人たちでこれだけ。ドラマーのトリビュートだから、音も実に良い。ドラムがポピュラー音楽の中で一番映えるチューニング&音質を選んでいることが伺える。
ただ、あくまでも「トリビュート」ではあるので、色々物足りないところはあるのだが。
これらのミュージシャンが好きな人は買ってみても良いのでは?

最近買ったCDでもう一枚良いのがあった。
ユーミンの「A GIRL IN SUMMER」。
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CMで流れている曲もキチンと聴くと色々発見があるものです。ピカイチでカッコよかった曲は7曲目の「虹の下のどしゃ降りで」(JRのCMの曲らしい)。ちょっとオールディでブラックなR&Bテイストが何とも格好良い。ちょっとオールドスタイルのリズム隊。誰だろ、絶妙のスネアのチューニング(80年代の青純的な!)、ちょっとイナタさすら感じさせるハイハット&ライド、ベースライン。ロールからタム一発のシンプルなフィルイン。誰だろ?日本人かな、と思っていたら、Vinnie & Neilのコンビであった。やっぱり偉大だよVinnieは。このニュアンス、レイドバック感も出せるのか!素晴らしい。

とまあ、一応2枚をリコメンドしておきます!
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# by SONZUKA | 2006-06-06 23:09 | 音楽
ビールを飲みながらFender Jazz Bassを抱えCDを聴いています。すでに500mL×3Vイッてますので相当キテます。あしからず!!

過去に見つけた「遺産」を聴きながらアマゾンやHMVのWebサイトで面白そうなCDを探しています(「遺産」とは昔に買ったものの当時の趣味に合わず聴かずに放置された音楽達を指します)。今はポニーキャニオンから発売された元・Seawindのボーカリスト・Pauline Wilsonのベスト盤「Only You」を聴いております。

物余りの現代で「買っとかなきゃ」的な物ってほとんど無いと思うのですが、CDだけは実は違います。

我が日本は一部では大変悪名高い「再販制度」があるため、発売してペイするかしないかが微妙な過去の名盤達がCDとして世界中のどこの国よりも早く(またアメリカなんかでは発売されないような)かつマニアック(といっても普通の音楽リスナーにとっては当たり前に欲しいレコードなのですが)な物がCD化されます。日本人に生まれて良かったですよね、音楽ジャンキーの皆様!日本が過去のFusionやFunkの名盤の再発天国なのです。日本のコアな音楽ファンの耳は海外でも高く評価されているようです。

でも、再販制度があるといっても売れ行きが悪くレコード店からの返品率が高い物はやっぱり再び入手できなくなってしまうのです。先日も会社で(働けよ!)アマゾっていましたら、ななんと、私が大学三年生の時にドラムマガジンかなにかで読んで是非欲しいと思った吉田美奈子の旧盤(渡嘉敷-岡沢-土方系の)が軒並み再発されており、思わずゲッツ(!)してしまった次第です。

今聴いているPauline Wilsonのベスト盤、今アマゾって見ましたら既に廃盤となっておりました(まぁ、彼女が好きな一部の人以外は欲しいと思わない物であろうから良いのかも知れませんがね)。Ricky Lawsonの後ろ気味のグルーブが素敵なアルバムなのに!

何故こんなことを書いたかと言いますと、単に酔っぱらっているから、なのですが、、「買っとかなきゃ」と思わせる物は今やCDくらいしかないのかな、とふと思ったからです。ベースを弾きながら「Louis Johnsonの演奏がタップリ聴きたい!」とググっても殆どのCDが廃盤で入手できない状態だったからです。

再販制度は、閉鎖的な日本の市場の代名詞的に語られることが多く、とかく規制緩和の流れの中で問題にされがちです。でも、自由な市場の理想像として日本で語られることの多い、かのアメリカ(音楽の本場!現在日本で演奏されている殆ど全ての音楽がアメリカ経由であると言っても良いでしょう)には再販制度はありません。でもその現実は人口を2倍以上持ち、かつ現代音楽の本場であるのに関わらず発売されているタイトル数は1/3にしかなりません。経済的な競争・効率を考えたらあるべきなのかも知れませんがね。不要な在庫は悪以外の何物でもないですから。しかし、音楽を「文化」の一部として考えたとき(文化として語るのに恥ずべき状況なのかも知れませんが)どちらの状況が文化的なのでしょうか。CDや本は「在庫=悪」なのでしょうか。

別に「あるCD」を入手しないからといって経済的に損したり、生命を絶たれたりする人はいないでしょう。でも「あるCD」に出会うことで人生が変えられてしまう人、そこまで行かなくても高級な意味での「オルガスムス」に達せられる人が確実にいると思います。音楽を聴く目的って、好きなAVを見るのと同じ!射精したいからなんです!!!ギターのオブリでイク?ドラマーのタムでイク?サックスの囁きでイク?ご自由に!!

レコード・CD・本などもこと経済・流通の観点で語られるときは、一般の消費資材と同等の視点で見られることが多いように思い、そのような記事を読んだとき私は常にカリカリします。でも、一般の消費資材とこれらの違う点は「ある一部の人間達にとっては著しく代替不能」であることです。今日も「日銀の量的緩和解除」の話題が新聞を賑わせましたが、その第一目的は「人生を豊かにすること」であるはずです。人間の幸せって十人十色であるが故に、それぞれの幸せとマスの効率とは真逆なんだなーと思った次第でありました。

ですので、多少の出庫数の少ない「悪」の商品に掛かるコストを負担しても私としては一向に構わないなぁと思うのです。逆に、一過性ですぐに忘れ去られ後世に残らないポリカーボネート板を残すコストを払っても良いと思うのです。単なるポリカ板と思うか否かは個々の主観ですからね。後世類い希なる名盤、時代を変えた音楽の分岐点、と語られるかも知れませんから。

酔っぱらったついでに止まらないシャックリを我慢しながら愚見を書いてみました。良い週末を!
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# by SONZUKA | 2006-03-11 02:00 | 音楽と日々雑感
1.The Beatles「I saw her standing there」

今から思うと、最初にグルーヴというものを体で感じたのが、中学校一年の時にこの曲を聴いた時である。
当時はラジオ以外に自分の好きな音楽を掘り出す手段が無く、まさにラジオ中毒であった。今は廃刊となった「FM Fan」を月二回必ず買っていたし、今は死語となった「エアチェック」をして、カセットテープに録音をして何度も何度も楽しんでいたのだ。現在は音楽を入手するためにはわざわざ東京の大きなレコード屋まで出向く必要もない。AmazonやHMVのWebサイトで検索をし、試聴した上でいろいろな人が書いているリコメンドを読みつつクレジットカードで決済をすれば、目的のCDが会社に送られてくる現在から思うと隔世の感がある。当時CDを買うためには、自宅からバスに乗り南海電車で難波まで出てアメリカ村にあるタワーレコードまで出向かなければならなかった。しかも、試聴は殆ど出来ないしその目当てのCDが自分の好みに合うか分からないので、少ない小遣いをはたいて購入するのはホントにドキドキものであった。そんな時代である。

やはりラジオで知ったビートルズを聴いてみたいと地元の本屋で1000円で売られていたバッタモンの「Please Please Me」を購入したのだ。
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ホントは「Let It Be」とか「Strawberry Fields Forever」とか知っている曲の入ったものが欲しかったのだが、やっぱりファーストアルバムから聴かなくちゃ、と知っている曲が一つも無かったこのアルバムを購入したのだ。

大事に使っていたオーディオにこのCDを入れてガッカリしたのを覚えている。音が古いし、何かよく分からない。古くさい、ダサい音楽だと思ったからだ。当時はBon Joviなんかが流行っていて、クラスメートに「LIVIN' ON A PRAYER」なんてのがあるぞ、なんて教わって、ありがたくそういう音楽を追いかけていた私には当然の感想だろう(LIVIN' ON A PRAYERはカッコイイ曲だと思いますよ、因みに)。

しかし、何かのタイミングでもう一度よく聴いてみようとオーディオに入れ再生させたときに飛び込んできた一曲目のこの曲を聴いたときに体が硬直したのをはっきり覚えている。当に「衝撃」という言葉がピッタリ当てはまるのではないか。Paul McCartneyの「One, two, three, four!」というカウントから、Paulの激しいベースとシャウト、Ringoのドライブ感溢れるフィルイン、Georgeの見事なギターソロ…(Johnは??)。楽しそうな手拍子、鋭いギターのカッティング。3分に満たないこの曲を何度も何度も再生した。当時は音楽的なことは何も分からなかったけど、とにかく気持ちよかった。カッコよかった。ロックンロールのカッコよさを全て持っている。テクニック的には今から見ると難しいものではないが、4人が集まって、「せーの」で合わせてこのとてつもないドライブ感・グルーヴ感が出るのは当にマジックである。同じ4人が集まっても決して再現できないだろうし、これ以上のパワーは生まれない。この時この瞬間のみに生まれた奇跡だしか思えない。

その後いろいろな音楽を知り、大学に入学した後にバンドを組んだのだが、最初に合わせた曲がこの「アイ・ソー・ハー」であった。懐かしい。

このアルバムには他にも特筆すべき曲が沢山ある。John Lennonの艶っぽいボーカル、Paulの革新的なベースライン。3人の息のピッタリ合った美しいコーラス。まぁこれらは今回の趣旨から反するのでまた後日…。
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# by SONZUKA | 2006-02-05 15:10 | 音楽
金曜日は半年ぶりの寿司を食べた。

グルメな友人に連れて行って貰ったのが経堂の「なり田」という小さな寿司屋である。

烏賊の塩辛、刺身(平目の昆布締め、甘エビ、あと一種)、アンキモ、何かの貝の磯辺巻きをつまみに、コハダ、サヨリ、トロ、ツメ3品(シャコ、貝、穴子)、烏賊、などを寿司でいただき、最後は鉄火巻きとカッパ巻き。(全部覚えていないのは酒のせいか年のせいか…。)酒はエビスビールとあっさりした辛口の日本酒。

前職の仕事柄、接待のため日本で美味いと言われる料理は大抵(経費(=皆様の保険料)で)食べてしまった。懐石、寿司、イタリアン、フレンチ、ステーキ、鰻、ふぐ、アンコウetcetc。その中でも一番好きなのはやはり寿司である。私が会社にはいるまで一番嫌いな食べ物の中の一つであった寿司。「魚は臭いもの」という認識があったのだ(育ちの悪さがばれてしまうかもしれないが…)。要するに「本物」を知らなかったのである。製薬会社に入社して、グルメが多い(というか高いものが好きな)医者の相手をするために、若造がとても立ち入ることの出来ない別世界の芸術を味わうことが出来たのは悪い経験ではなかったろう。おかげさまで「この世の美味いもの」のレベルと価格を大まかに知ることが出来、本物を知る喜びを味わえたのだ。一応感謝感謝。

閑話休題。というわけで銀座から赤坂から一流どころの寿司屋は結構食した私だが、今回のこの寿司はその中でも確実にベスト3に入るすばらしさ。しかも価格が銀座の半分以下であった。恐らく銀座でこのレベルの寿司を食べようと思ったら二人で5万円くらいは覚悟しなければならないだろう。寿司というのはとても難しい食べ物で、味覚嗅覚触覚視覚あらゆる感覚を満足させられなければ一流とは言えないのだ。「ネタは新鮮だけど舎利がイマイチ」とか「ネタも舎利も良いんだけどバランスが取れていないんだよなぁ」とか「舎利の握り方があまいので噛んだときの触覚が良くない」とか「確かに美味いんだけどかしこまった雰囲気で残念」とか「そんなにポンポン出されても食えないでしょうが」とか。100%満足させられる寿司屋の如何に少ないことか。まあワタクシのような小市民ですらこれだけのゴタクを並べられるのも寿司という料理の難しさを表しているように思うのだがどうだろうか。
職人さんの腕が兎に角素晴らしかった。丁寧な仕事、美しい握り方、舎利とネタの絶妙なバランス。寿司を出すタイミング。味覚嗅覚触覚視覚の全てを堪能した。その中でも、
①コハダ(締め具合がピッタリ好みに合う寿司屋って意外と少ない。酸味と甘み、コハダの持つ柔らかさを殺さない仕事、は難しいのだ)、
②サヨリ(よく分からないが凄く美味かったのだ)、
③鉄火巻き(房総で取れた海苔の香りの素晴らしいこと。口に入れた瞬間、マグロの脂と化学反応を起こして広がる、香ばしく甘い磯の風味は絶品)
の三品は当に絶品。
ご主人のお人柄も大変気持ちよく、寿司の愉しみの一つである職人さんとのコミュニケーションも十分味わせていただいた。いろいろ寿司について教えて貰ったのだが、とても楽しかった。

住宅街の小さな10席ほどの寿司屋を出るとき、日本人に生まれて本当に良かったと感動した金曜日でした。
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# by SONZUKA | 2006-01-29 19:21 | 日々雑感
早めに帰宅できたのでビールを飲みながらブログをアップしてみました。

小田和正「K.ODA」を聴く。
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小田和正のアルバムはこれ一枚しか持っておらず、彼について殆ど知らないのだが、オフコースを解散した後に出した最初のソロアルバムだとのこと。オフコースというバンドがどういう音楽を演奏するのかは知らないけれど、小田和正は随分と思いきったことをしたな、と感心する。単身でロスに渡り「超」の字が幾つも付く現代音楽の頂点と音楽を作る作業を決意するとは!
プロデュースがBill Schnee、DrumsがJeff Porcaro、BassがDavid Hungate、GuitarがDann Huffという恐ろしい面子である。このアルバムが発売された80年代半ばは、竹内まりやの「Miss M」といい、尾崎亜実の「Hot Baby」といい、良質な音楽が作られていたようだ。このアルバムは全体的に暗いトーンで、寒い冬になるとついついiPodで再生してしまうのだ。

このアルバムをiPodで再生する理由は、やはりJeff Porcaroのグルーブを聴きたいからである。
Jeffは男男しい(読みはオトコオトコシイ、オオシイ。女々しいに対比する私の大学時代の仲間の造語で猛々しい、男っぽいという意味)8ビート、繊細かつ柔らかい16ビート、そして軽快なシャッフルを得意とする当にOne&Onlyなドラマーであった。彼のグルーブを生で聴けないことを本当に悲しく思う。このアルバムでは、見事な8ビートと16ビートが聴ける。ドラムという音程がないリズム楽器が楽曲に如何に彩りを添えるか、実感できるのだ。
あと、もう一つの魅力はDann Huffのギター。ハードなロック調ギターソロのお手本が随所に聴ける。最近ディストーションのギターを余り聴かなくなったのだが、このアルバムを再生しDannのギターソロを耳にすると思わず身をのけ反らせてしまう。ピッキングハーモニクスのタイミング、効果的なアーミング、3連符から早弾きに移る様など。素晴らしいギタリストだ。
あとあと、もう一つの魅力はDavid Hungateのベース。Jeffと組んだとき最もしっくり来るベーシスト。こんなにカッチリ演奏するベーシストって他にいるだろうか。派手さは全くないがどこに音を置くか、どういうコード感を作るか、計算され尽くしたベースライン。

最近のJ-POPなど真面目には聴いたことはないが、20年も前のこのアルバムと比較すると現在のJ-POPは全く進化していないどころか退化してしまっているような気がする。音楽の楽しみを感じられないものに化している。音楽にお金を使わない人間が増えているのは何もネットでの違法コピーやレンタルCDでは無い。資金を投じるだけの価値がないからだと断言したい。

そもそも、音楽の楽しみの二大要素はメロディとグルーブ。現在の音楽はメロディが使い回しの安っぽいものになっているのに加え、考え無しにコンピュータでリズムを作っているから、グルーブとは程遠い。打ち込みも80年代の方がハードが貧相だったのにかかわらずクォリティは今より圧倒的に高かった。

大方の人間はメロディしか感知できない。カラオケでメロディを追うことが出来れば満足なのである。しかし、カラオケ文化も衰退し始めている。日本の音楽はどこに向かうのか。iPodやらiTunesやら音楽を調達する手段は整ってきたが、肝心のコンテンツが空っぽ。音楽文化が日本から消えてしまわないかと心配だ。


追記
私がグルーブをいつから認知し始めたのか考えると、中学校1年生の時、The Beatlesの「I saw her standing there」を聴いた時である。
、、、としんどくなってきたので、、、
リズムとグルーブに関しては、また後日にしようっと。
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# by SONZUKA | 2006-01-26 22:24 | 音楽
12月8日は、朝、スターバックスでコーヒーを飲んでいた。クリスマスが近いので、クリスマスソングが流れていた。おきまりのマライアキャリーや、エラ・フィッツジェラルドなんかも流れたりして、「良いですな、スタバは音楽がよい!」と良い気分。
スタバの良いところは、タバコの公害がないこと、コーヒーが美味しいこと、で、音楽がよいこと。高いですがね。

で、おきまりの曲、“Happy Christmas (War is Over)” が流れてきました。
そこで、思い出した。

John Lennonが亡くなって25年目…。

やっぱ、良い曲ですね。泣きそうになる。
スタバを出ると、Chage&Askaのチャゲが歌う、「レノンのミスキャスト」が頭をぐるぐる回り出した。このチャゲ、Askaと比べると地味なのですが、独特の世界観があって、中学生の私は結構好きで、このレノンのミスキャストも如何にもChageメロディーな曲。何故か毎年12月8日にはこの曲を思い出すのだ。

Beatlesでは、ポールの方が好きなのだが、この日は毎年なんだか悲しい一日。今は元Beatleもリンゴとポールの二人になった。ポールのニューアルバムでも聴きましょう。

PS
去年の12月8日にも同じような内容のブログを書いていた…。こうやって老いていくのかなぁ…

PS2
ジョン・レノンが亡くなったのは、日本時間の12月9日になるようです。
だから、12月8日が命日、というのは間違いですね。
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# by SONZUKA | 2005-12-11 09:51 | 音楽
A Love Affair : The Music of Ivan Lins
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かの御大”イヴァン・リンス”のトリビュートアルバムである。

Ivan Linsは、Lee Ritenourを通じて知った。
リトナーのアルバムやライブで度々競演しているブラジルのシンガー/ソングライター。
一度ブルーノートにリトナーのライブを見に行ったときリンスも出演していた(このライブ自体はつまらないものだったのだが)。

このアルバムは、このリンス楽曲を様々なミュージシャンが演奏しているのだ。その顔ぶれが凄い。

Michael Brecker,Dean Brown,Vinnie Colaiuta,Mark Egan,Will Lee,Chuck Loab,Marcus Miller,Joe Sampleがバックを固め、Sting,Grover Washington,Jr.,Chaka Khan,Dianne Reevesなどがフロントをつとめるという、それはもう超弩級のアルバムだ。アマゾンの「○○様へお勧め」で紹介されて思わずゲッツした。アマゾンに感謝!これは、あっという間にハマった。久しぶりの大ヒットである。

このアルバムを早速iPodに落とし、土曜日は友人の結婚式のために横浜へ行った。

普通結婚式に呼ばれるときは、何人かの共通の友人とグループで行くことが殆どなのだが、今回の結婚式は、私はその主催者の彼以外誰も知らないというシチュエーションであったのだ。

普段、斜めからものを見る姿勢があるその彼も、奥様の圧力で(と彼は言うのだが)キリスト教式での教会の結婚式を挙げ、屋外での立食形式のパーティを企画した。秋晴れの中、良い楽しい式だったと思う。

元町の港の見える丘公園の坂道を、iPodでこのアルバムを聴きながら歩いたのだが、少し肌寒くなり夏ほど強くない柔らかな日差しと透明な青空の下、美しい街並みを歩きながら聴くのに実にぴったり合うアルバムである。

バラエティー富む演奏者が出ているから、さぞかし「五目味」のアルバムなんだろうなと余り期待せずに聴いていたのだが、プロデューサーの実力なのだろう、リンスの少しマイナー調の哀愁のメロディーに実によく合った、透明感があるのだが少し哀しい秋味の様な味わい。当に大人のポップである。ボーカリストも無意味なシャウトをせず、演奏も決して出しゃばらず、かといって熱くないわけではない。

最近購入したShureのイヤホンを装着し、深みと透明感に満ちるこのアルバムを、行きは朝の晴れやかな気分で、帰りは少しほろ酔いの幸せな気分で聴いたのだ。

久しぶりに良い買い物をしたものだ。ブログで感想を上げたくなるアルバムはそうないのだが、この一枚は当にその一枚である。単なるスムースジャズ的なチンケなものではない。ポピュラーミュージックの深みを味わえるこのアルバムは是非お勧めだ!
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# by SONZUKA | 2005-11-13 18:02 | 音楽
「首相の靖国参拝は違憲」と報道された

以前、友人と靖国問題について議論を交わし色々教えて貰ったことがあったので、それなりに興味を持ってこの問題に注目していた。今回の天下の大朝日新聞の報道は相変わらずですなぁ。こういう姿勢は何もこの件だけではなく、未だに自社の「捏造報道」に関しても何の結論を出していない程の一貫した姿勢を持っている筋金入りなのだ。

判決を読むと、「精神的苦痛を受けたという台湾人116人を含む計188人が、国と小泉首相、靖国神社に1人あたり1万円の損害賠償を求めた」請求が却下されたということで、天下の大朝日がいう「靖国参拝が違憲」というのは、「傍論として述べられた裁判官の私見として違憲と述べた」ことであって、決して「首相の靖国参拝は違憲」という判決が出たわけではない。構造として、昨年の福岡での判決と同じである。116人もの台湾人が原告に含まれている時点できな臭いのだが。まあいいや。

これはあくまでも傍論であって、先例にもならないし法的拘束力はないため、首相はこれまで通り公用車を使い、公費で雇っているSPを従えて靖国参拝が出来るわけだ、法的には。

しかし、である。判決では参拝が「公的か私的か」を検討しており、今回の参拝は「首相の職務と認めるのが相当」と判断されている。日本国憲法における「政教分離」の定義など議論すべきことが多いのだが、三権の一翼を担う立法が「首相として公の立場として一宗教団体に詣る活動が宗教的活動で「政教分離」の原則に抵触する」との判断を下したわけで、首相は前回のような「煙に巻く」言動は慎むべきだ。

少なくとも、
(1)私的参拝の形式を取る、
(2)「政教分離」の定義に関して、正面から議論をする、
(3)別の裁判で東京高裁において違憲とはいえないという判断が下されたので、もし上告があれば、最高裁の判断が出るまでは靖国参拝を慎む、
などの真摯な態度で受け止めるべきだ。公権力の暴走に歯止めを掛ける、というのが憲法の意義であり、それを軽んじる権力者の存在を国民は断じて許してはならない。これが日本国民が第二次大戦から血を吐いて得た教訓なのである。イデオロギーの差で片付けられる軽い問題ではない。

現在、改憲の流れが急に出来つつある。ホンの数年前なら、改憲を口にする国務大臣は糾弾され、「右翼だ」「軍国主義者だ」などと白い目で見られていたのだが。この流れが単にアジアの軍事バランスの変化から来ているのなら「ようやく国民が目覚めた」という話になるのだろうが、どうなんだろう。朝生で慶応の小林節教授が仰っていた「改憲には賛成だが現段階での改憲には反対する」という考え方に私は賛成する(「それは単なる法律家のニヒリズムだ」と茶々を入れる輩も居たようだが)。

今するべきことは、(靖国問題に限定して言うと)改憲における「政教分離」に関して真摯な議論を行うことだ。非現実なニヒリズムなのかもしれないが、我々日本国民が自主的に「憲法という権力者の行為する範囲を規定する」という有史以来初めての行為には、大いなる議論と紆余曲折が不可欠であろう。こういった議論の中から、この国の形や在り方などが見えてくるはずである(靖国問題から、大昔から自然と根付いた神道、それを天皇に結びつけ全体主義に利用した国家神道、権力者が歴史的にとりがちな国民が警戒すべき行動パターン、万世一系と言われる天皇制など、当に国の在り方が見えてくる)。

「政治的判断」「解釈」などという「ムラ」でしかなりたたない説明で権力者が放たれる、「鵜飼いの紐無し状態」のような曖昧な文面ではなく、その余地がないものにしなければならない。余所のお国の憲法がどうかなどは全く参考にならない。他の国民とは全く違うのが我々なのだから。

北朝鮮から核が飛んでくるまでに議論をまとめなければならないのだ。
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# by SONZUKA | 2005-10-02 21:18 | 日々雑感
「朝イーグルス」の日であった。
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朝○○、という言い方を昔よく使った。
朝起きて何の音楽を掛けたか、と言う話題がバンド仲間と会うと必ず出て、「朝アビイロード」「朝古内東子」「朝24ナイツ」などと言ったものだ。

イーグルスにはまったのは今から11年前、浪人生の頃だった。当時はロック少年で、音楽を語れる友人が周りにいなかったためひたすら一人で好きな音楽を見つけていった。イーグルスは浪人時になんば駅から予備校までの徒歩を思い出すのであまり聴きたくはないのだが…。大学に入ってから今まで、このアルバムは殆ど聞いたことはなかったのだが、今朝起きて猛烈に「One of These Nights」のDon Felderの濃厚なギターソロが聴きたくなった訳である。イーグルスと言えば批評的な歌詞、美しいコーラス、カラッと乾いたサウンド、メロウなメロディなどが思いつくのだが、私は「極めて優秀なギターバンド」と評価している。Don FelderとJoe Walshの強力なツインギターが最大の魅力であろう。「Hotel California」などは言うまでもない名演であるが、この「One of These Nights」や「I Can 't Tell You Why」におけるギターソロは当にロック史に残る名演中の名演である。
「One of These Nights」では、鋭いテレキャスのリアピックアップ(と思われる)音色で19フレットの1音半チョーキングから入ってくる。左指に弦が張り付いて離れない粘っこいニュアンスはなかなか出せるものではない。ロック・ギターの最も美しいギターソロのお手本が聴けるのだ。今朝は思わずギターを掴んで大学時代に散々弾きまくったこのソロを弾いてしまった。

iTunesで音楽が配信される時代、CDを買わない、レンタルだけで済ましてしまう人も多くいるようだが、「ポリカーボネイト板」として物理的に音楽を所持する楽しみはここにある。11年間プレーヤーに乗せられなかったCDを取り出して、繰り返し読んだためヘタったジャケットを見ながら懐かしい音楽の魅力を再発見する。当時では理解できなかったものが見つけられる。確かにiTunesで音楽を聴くのはとても便利。しかし、音楽を聴く楽しみは「音」以外にも多々あるのだ。
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# by SONZUKA | 2005-09-01 23:05 | 音楽