人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「糸巻き」に汚染された人間が浄化されていく様


by SONZUKA
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
早めに帰宅できたのでビールを飲みながらブログをアップしてみました。

小田和正「K.ODA」を聴く。
小田和正を聴きながらJ-POPを想う…_b0045164_22194671.jpg

小田和正のアルバムはこれ一枚しか持っておらず、彼について殆ど知らないのだが、オフコースを解散した後に出した最初のソロアルバムだとのこと。オフコースというバンドがどういう音楽を演奏するのかは知らないけれど、小田和正は随分と思いきったことをしたな、と感心する。単身でロスに渡り「超」の字が幾つも付く現代音楽の頂点と音楽を作る作業を決意するとは!
プロデュースがBill Schnee、DrumsがJeff Porcaro、BassがDavid Hungate、GuitarがDann Huffという恐ろしい面子である。このアルバムが発売された80年代半ばは、竹内まりやの「Miss M」といい、尾崎亜実の「Hot Baby」といい、良質な音楽が作られていたようだ。このアルバムは全体的に暗いトーンで、寒い冬になるとついついiPodで再生してしまうのだ。

このアルバムをiPodで再生する理由は、やはりJeff Porcaroのグルーブを聴きたいからである。
Jeffは男男しい(読みはオトコオトコシイ、オオシイ。女々しいに対比する私の大学時代の仲間の造語で猛々しい、男っぽいという意味)8ビート、繊細かつ柔らかい16ビート、そして軽快なシャッフルを得意とする当にOne&Onlyなドラマーであった。彼のグルーブを生で聴けないことを本当に悲しく思う。このアルバムでは、見事な8ビートと16ビートが聴ける。ドラムという音程がないリズム楽器が楽曲に如何に彩りを添えるか、実感できるのだ。
あと、もう一つの魅力はDann Huffのギター。ハードなロック調ギターソロのお手本が随所に聴ける。最近ディストーションのギターを余り聴かなくなったのだが、このアルバムを再生しDannのギターソロを耳にすると思わず身をのけ反らせてしまう。ピッキングハーモニクスのタイミング、効果的なアーミング、3連符から早弾きに移る様など。素晴らしいギタリストだ。
あとあと、もう一つの魅力はDavid Hungateのベース。Jeffと組んだとき最もしっくり来るベーシスト。こんなにカッチリ演奏するベーシストって他にいるだろうか。派手さは全くないがどこに音を置くか、どういうコード感を作るか、計算され尽くしたベースライン。

最近のJ-POPなど真面目には聴いたことはないが、20年も前のこのアルバムと比較すると現在のJ-POPは全く進化していないどころか退化してしまっているような気がする。音楽の楽しみを感じられないものに化している。音楽にお金を使わない人間が増えているのは何もネットでの違法コピーやレンタルCDでは無い。資金を投じるだけの価値がないからだと断言したい。

そもそも、音楽の楽しみの二大要素はメロディとグルーブ。現在の音楽はメロディが使い回しの安っぽいものになっているのに加え、考え無しにコンピュータでリズムを作っているから、グルーブとは程遠い。打ち込みも80年代の方がハードが貧相だったのにかかわらずクォリティは今より圧倒的に高かった。

大方の人間はメロディしか感知できない。カラオケでメロディを追うことが出来れば満足なのである。しかし、カラオケ文化も衰退し始めている。日本の音楽はどこに向かうのか。iPodやらiTunesやら音楽を調達する手段は整ってきたが、肝心のコンテンツが空っぽ。音楽文化が日本から消えてしまわないかと心配だ。


追記
私がグルーブをいつから認知し始めたのか考えると、中学校1年生の時、The Beatlesの「I saw her standing there」を聴いた時である。
、、、としんどくなってきたので、、、
リズムとグルーブに関しては、また後日にしようっと。
# by SONZUKA | 2006-01-26 22:24 | 音楽
12月8日は、朝、スターバックスでコーヒーを飲んでいた。クリスマスが近いので、クリスマスソングが流れていた。おきまりのマライアキャリーや、エラ・フィッツジェラルドなんかも流れたりして、「良いですな、スタバは音楽がよい!」と良い気分。
スタバの良いところは、タバコの公害がないこと、コーヒーが美味しいこと、で、音楽がよいこと。高いですがね。

で、おきまりの曲、“Happy Christmas (War is Over)” が流れてきました。
そこで、思い出した。

John Lennonが亡くなって25年目…。

やっぱ、良い曲ですね。泣きそうになる。
スタバを出ると、Chage&Askaのチャゲが歌う、「レノンのミスキャスト」が頭をぐるぐる回り出した。このチャゲ、Askaと比べると地味なのですが、独特の世界観があって、中学生の私は結構好きで、このレノンのミスキャストも如何にもChageメロディーな曲。何故か毎年12月8日にはこの曲を思い出すのだ。

Beatlesでは、ポールの方が好きなのだが、この日は毎年なんだか悲しい一日。今は元Beatleもリンゴとポールの二人になった。ポールのニューアルバムでも聴きましょう。

PS
去年の12月8日にも同じような内容のブログを書いていた…。こうやって老いていくのかなぁ…

PS2
ジョン・レノンが亡くなったのは、日本時間の12月9日になるようです。
だから、12月8日が命日、というのは間違いですね。
# by SONZUKA | 2005-12-11 09:51 | 音楽
A Love Affair : The Music of Ivan Lins
秋晴れと横浜とイヴァンリンス_b0045164_1835148.jpg

かの御大”イヴァン・リンス”のトリビュートアルバムである。

Ivan Linsは、Lee Ritenourを通じて知った。
リトナーのアルバムやライブで度々競演しているブラジルのシンガー/ソングライター。
一度ブルーノートにリトナーのライブを見に行ったときリンスも出演していた(このライブ自体はつまらないものだったのだが)。

このアルバムは、このリンス楽曲を様々なミュージシャンが演奏しているのだ。その顔ぶれが凄い。

Michael Brecker,Dean Brown,Vinnie Colaiuta,Mark Egan,Will Lee,Chuck Loab,Marcus Miller,Joe Sampleがバックを固め、Sting,Grover Washington,Jr.,Chaka Khan,Dianne Reevesなどがフロントをつとめるという、それはもう超弩級のアルバムだ。アマゾンの「○○様へお勧め」で紹介されて思わずゲッツした。アマゾンに感謝!これは、あっという間にハマった。久しぶりの大ヒットである。

このアルバムを早速iPodに落とし、土曜日は友人の結婚式のために横浜へ行った。

普通結婚式に呼ばれるときは、何人かの共通の友人とグループで行くことが殆どなのだが、今回の結婚式は、私はその主催者の彼以外誰も知らないというシチュエーションであったのだ。

普段、斜めからものを見る姿勢があるその彼も、奥様の圧力で(と彼は言うのだが)キリスト教式での教会の結婚式を挙げ、屋外での立食形式のパーティを企画した。秋晴れの中、良い楽しい式だったと思う。

元町の港の見える丘公園の坂道を、iPodでこのアルバムを聴きながら歩いたのだが、少し肌寒くなり夏ほど強くない柔らかな日差しと透明な青空の下、美しい街並みを歩きながら聴くのに実にぴったり合うアルバムである。

バラエティー富む演奏者が出ているから、さぞかし「五目味」のアルバムなんだろうなと余り期待せずに聴いていたのだが、プロデューサーの実力なのだろう、リンスの少しマイナー調の哀愁のメロディーに実によく合った、透明感があるのだが少し哀しい秋味の様な味わい。当に大人のポップである。ボーカリストも無意味なシャウトをせず、演奏も決して出しゃばらず、かといって熱くないわけではない。

最近購入したShureのイヤホンを装着し、深みと透明感に満ちるこのアルバムを、行きは朝の晴れやかな気分で、帰りは少しほろ酔いの幸せな気分で聴いたのだ。

久しぶりに良い買い物をしたものだ。ブログで感想を上げたくなるアルバムはそうないのだが、この一枚は当にその一枚である。単なるスムースジャズ的なチンケなものではない。ポピュラーミュージックの深みを味わえるこのアルバムは是非お勧めだ!
# by SONZUKA | 2005-11-13 18:02 | 音楽
「首相の靖国参拝は違憲」と報道された

以前、友人と靖国問題について議論を交わし色々教えて貰ったことがあったので、それなりに興味を持ってこの問題に注目していた。今回の天下の大朝日新聞の報道は相変わらずですなぁ。こういう姿勢は何もこの件だけではなく、未だに自社の「捏造報道」に関しても何の結論を出していない程の一貫した姿勢を持っている筋金入りなのだ。

判決を読むと、「精神的苦痛を受けたという台湾人116人を含む計188人が、国と小泉首相、靖国神社に1人あたり1万円の損害賠償を求めた」請求が却下されたということで、天下の大朝日がいう「靖国参拝が違憲」というのは、「傍論として述べられた裁判官の私見として違憲と述べた」ことであって、決して「首相の靖国参拝は違憲」という判決が出たわけではない。構造として、昨年の福岡での判決と同じである。116人もの台湾人が原告に含まれている時点できな臭いのだが。まあいいや。

これはあくまでも傍論であって、先例にもならないし法的拘束力はないため、首相はこれまで通り公用車を使い、公費で雇っているSPを従えて靖国参拝が出来るわけだ、法的には。

しかし、である。判決では参拝が「公的か私的か」を検討しており、今回の参拝は「首相の職務と認めるのが相当」と判断されている。日本国憲法における「政教分離」の定義など議論すべきことが多いのだが、三権の一翼を担う立法が「首相として公の立場として一宗教団体に詣る活動が宗教的活動で「政教分離」の原則に抵触する」との判断を下したわけで、首相は前回のような「煙に巻く」言動は慎むべきだ。

少なくとも、
(1)私的参拝の形式を取る、
(2)「政教分離」の定義に関して、正面から議論をする、
(3)別の裁判で東京高裁において違憲とはいえないという判断が下されたので、もし上告があれば、最高裁の判断が出るまでは靖国参拝を慎む、
などの真摯な態度で受け止めるべきだ。公権力の暴走に歯止めを掛ける、というのが憲法の意義であり、それを軽んじる権力者の存在を国民は断じて許してはならない。これが日本国民が第二次大戦から血を吐いて得た教訓なのである。イデオロギーの差で片付けられる軽い問題ではない。

現在、改憲の流れが急に出来つつある。ホンの数年前なら、改憲を口にする国務大臣は糾弾され、「右翼だ」「軍国主義者だ」などと白い目で見られていたのだが。この流れが単にアジアの軍事バランスの変化から来ているのなら「ようやく国民が目覚めた」という話になるのだろうが、どうなんだろう。朝生で慶応の小林節教授が仰っていた「改憲には賛成だが現段階での改憲には反対する」という考え方に私は賛成する(「それは単なる法律家のニヒリズムだ」と茶々を入れる輩も居たようだが)。

今するべきことは、(靖国問題に限定して言うと)改憲における「政教分離」に関して真摯な議論を行うことだ。非現実なニヒリズムなのかもしれないが、我々日本国民が自主的に「憲法という権力者の行為する範囲を規定する」という有史以来初めての行為には、大いなる議論と紆余曲折が不可欠であろう。こういった議論の中から、この国の形や在り方などが見えてくるはずである(靖国問題から、大昔から自然と根付いた神道、それを天皇に結びつけ全体主義に利用した国家神道、権力者が歴史的にとりがちな国民が警戒すべき行動パターン、万世一系と言われる天皇制など、当に国の在り方が見えてくる)。

「政治的判断」「解釈」などという「ムラ」でしかなりたたない説明で権力者が放たれる、「鵜飼いの紐無し状態」のような曖昧な文面ではなく、その余地がないものにしなければならない。余所のお国の憲法がどうかなどは全く参考にならない。他の国民とは全く違うのが我々なのだから。

北朝鮮から核が飛んでくるまでに議論をまとめなければならないのだ。
# by SONZUKA | 2005-10-02 21:18 | 日々雑感
「朝イーグルス」の日であった。
Eagles「The Very Best of Eagles」_b0045164_2364194.jpg

朝○○、という言い方を昔よく使った。
朝起きて何の音楽を掛けたか、と言う話題がバンド仲間と会うと必ず出て、「朝アビイロード」「朝古内東子」「朝24ナイツ」などと言ったものだ。

イーグルスにはまったのは今から11年前、浪人生の頃だった。当時はロック少年で、音楽を語れる友人が周りにいなかったためひたすら一人で好きな音楽を見つけていった。イーグルスは浪人時になんば駅から予備校までの徒歩を思い出すのであまり聴きたくはないのだが…。大学に入ってから今まで、このアルバムは殆ど聞いたことはなかったのだが、今朝起きて猛烈に「One of These Nights」のDon Felderの濃厚なギターソロが聴きたくなった訳である。イーグルスと言えば批評的な歌詞、美しいコーラス、カラッと乾いたサウンド、メロウなメロディなどが思いつくのだが、私は「極めて優秀なギターバンド」と評価している。Don FelderとJoe Walshの強力なツインギターが最大の魅力であろう。「Hotel California」などは言うまでもない名演であるが、この「One of These Nights」や「I Can 't Tell You Why」におけるギターソロは当にロック史に残る名演中の名演である。
「One of These Nights」では、鋭いテレキャスのリアピックアップ(と思われる)音色で19フレットの1音半チョーキングから入ってくる。左指に弦が張り付いて離れない粘っこいニュアンスはなかなか出せるものではない。ロック・ギターの最も美しいギターソロのお手本が聴けるのだ。今朝は思わずギターを掴んで大学時代に散々弾きまくったこのソロを弾いてしまった。

iTunesで音楽が配信される時代、CDを買わない、レンタルだけで済ましてしまう人も多くいるようだが、「ポリカーボネイト板」として物理的に音楽を所持する楽しみはここにある。11年間プレーヤーに乗せられなかったCDを取り出して、繰り返し読んだためヘタったジャケットを見ながら懐かしい音楽の魅力を再発見する。当時では理解できなかったものが見つけられる。確かにiTunesで音楽を聴くのはとても便利。しかし、音楽を聴く楽しみは「音」以外にも多々あるのだ。
# by SONZUKA | 2005-09-01 23:05 | 音楽